メモ帳

恋の何歩か手前

あの時の今日のこと

義祖母、つまり、妻のおばあちゃんは、もうすぐ100歳になる。

最近、体調を崩して入院してしまったのだけど、ゴールデンウィークが明ける頃、退院出来そうだと、妻が教えてくれた。

入院生活のせいなのか、義祖母は、あまり自ら話しをしなくなってしまったらしい。

私は、そんな話を聞きながら、心配になり、それと平行して、あることを考えていた。

きっと、私も順調に歳をとれば、おじいさんになるだろう。

今よりも、もう少しだけ身近に自分の《死》を意識しているに違いない。

そんな時、今日のことを思い出す気がする。妻に義祖母の様子と、退院の話を聞いた時のことを。

あぁ、きっと義祖母は、あの時、こういう気持ちだったのかもしれないな、って。

もしかして、私にもひ孫が出来ていて。

子供や孫、ひ孫の未来のことを考えながら、今日のあの時のことを、朧げな記憶から少しひっぱり出してきて、過去と今と未来を、不器用に、下手くそに繋げるのかもしれない。