メモ帳

恋の何歩か手前

十中八九、モレスキン

物欲はあまり無い方なのだけど、最近、珍しく気になっていたものがある。

Moleskineモレスキン)のノートだ。

ノートのくせに、ちょっと値段が高い。2000円くらいする。「ノートのくせに」って書いたけど、私は、ノートが好きだ。特別、知識がある訳ではないのだけど、家には、色々な種類のノートが結構たくさんあって、そして、全部、全然使っていない。使っていないノートが家にたくさんあるのは分かっているのだけど、魅力的なものに出会うと、つい購入してしまう時があって、それで、たくさんの使っていないノートがどんどん増えていく。

そんなコレクションたちを時々、思い出したように収納から引っ張り出しては眺めて、あぁ、そういえば、こんな魅力的なノートを持っていたな、と、所有欲を満たす。それで、この魅力的なノートたちに、何を書こうか、と想像して、また収納の扉を閉める。多分、それが好きなんだと思う。実際に、活用するのではなくて、そうやってコレクションすることが好きなのだと、最近、気付いた。

今回も、そのコレクションに仲間入りしてしまうかもしれない1冊のノートが、今、このブログを書いている私の隣で、得も言われぬ存在感を放っている。

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モレスキン、ポケットサイズのノート。ソフトカバーで、用紙は無地。

ノート売り場で、買うか、買うまいか、相当悩んだ。多分、30分以上は、売り場をうろうろしながら悩んでいたと思う。だって、税込みで2200円もするんですよ。ノートって言ったら、私の中では数百円が相場で、所有している一番高いものでも、1000円弱くらいだったと思う。それが、急に2000円って、そりゃ、迷いますよ。なんせ、活用するかどうか分からないのだから。コレクションになる確率が高いのだから。

でも、最後には、一切のことを考えないようにして、脇目もふらずに、レジまで一直線に早歩き。今まで同じ場所をずっとうろうろしていたのに、急にレジに向かって早歩きしだした様子を、もし、店員さんが始終見ていたら、きっと、なんなんだろうって、不思議に思うかもしれない。私だったら思う。でも、そんなことはお構いなしに、鼻息荒くして会計を終わらせて、マスクの下にちょっとだけ笑みを作って、購入した商品はズボンのポケットにそのまま突っ込んで、その場を立ち去った。やった…!やってやったぞ!って。

 

以前からモレスキンの存在はもちろん知っていたのだけど、なにせ値段がお高いので、必死に興味を持たないように自分をコントロールしていた。その封印を解いてくれたのは、職場にやってくる営業さんだ。小綺麗なスーツを身にまとう彼は、いつも、颯爽っと現れて、まるで手品のように、どこからともなくモレスキンの手帳を取り出して、何か重要そうなことをメモしながら、颯爽と帰っていく。

最初は、手元の手帳を気にしてはいなかったのだけど、いつからか、それがとても気になるようになっていた。あの格好いい手帳は、多分、モレスキンではないか?

そう思ってしまったら、もう、彼の持つあれは、私の中で完全にモレスキン。人付き合いが得意ではない私は、まさか、「それ、モレスキンですか?」とか直接聞けないし、じろじろ見るのもちょっと失礼だから、あれはもうモレスキンなのだと、決定させてしまった。というか、十中八九モレスキンだよ、もう。知らないけど。

とにかく、もはや、彼の持つ手帳がモレスキンモレスキンでないかは関係なくて、私の興味は、彼の持っている手帳から、モレスキンへとすでに移行が完了してしまっていた。時すでに遅し。興味の移行が完了してから数日経過した本日、ブログを書いている私の隣で鎮座している。こうなることは薄々、勘付いていた。

今日の昼頃に購入してから、一日持ち歩いたのだけど、書き込んだことは、ノートを買うのに30分以上迷ったという一文と、義実家に行った際に、財布を忘れてお義母さんに1000円借りた、というメモ。高かったからと言って、背伸びした内容をそこに書きたくはない。私にとって重要なこと、忘れたくないこと、忘れてはいけないことを、どんどん書き込んでいこうと思う。今日は枕元に置いて一緒に寝ようと思う。